アイデアを記憶に残せ『アイデアのちから』チップ・ハース、ダン・ハース
『アイデアのちから』チップ・ハース、ダン・ハース
人を動かし、世の中を動かす凄いアイデアの仕組みとは?成功するアイデアの6つの法則を紹介。
著者について
チップ・ハース(Chip Heath):
スタンフォード大学経営学部教授(組織行動論)
ダン・ハース(Dan Heath):
デューク・コーポレートエデュケーションのコンサルタント。ニューメディア教科書会社「シンクウェル」の共同創設者。
記憶に焼きつくアイデアとは?
このシンプルな問いにたいして、
多くの研究と事例を挙げながら深掘りしていくのが本書。
この本の内容を読めば、
何故怪しげな都市伝説がこんなにも拡散されるのかも分かるはず。
特に広告やスピーチなどで、
どうやったら伝えたいことが相手の記憶に残り、魅力的に映るのか
ということを研究した本。
本は結構厚いですが、内容はいたってシンプル。
①「知の呪縛」から解き放たれること
② SUCCESsのフレームワークを使うこと
この二点だけ。
「知の呪縛」とは人間が生来持っている傾向。自分は知っているから相手にもわかるはずだというような心理。
これが伝わるアイデアを妨害している。
そしてSUCCESsのフレームワーク
①単純明快である Simple
②意外性がある Unexpected
③具体的である Concrete
④信頼性がある Credentialed
⑤感情に訴える Emotional
⑥物語性がある Story
これを意識してアイデアをつくることで記憶に焼きつけることができる。
正直、このフレームワークを知っていて使うだけで十分ですが、
これを間違って解釈し行動することを防ぐために多くの事例や研究にページを割いているといえます。
このフレームワークはとても便利で、
自分で広告を作るとき、
スピーチを考えるとき
営業トークを考えるとき
すべてのアイデアを考えるときに、
「SUCCESsを満たしているか?」
これを意識するだけ。
多分一生役に立つ本です。
ビジネスに応用『経済は感情で動く』マッテオ・モッテルリーニ
『経済は感情で動く』
マッテオ・モッテルリーニ
内容紹介
日常の買い物から、レストランでの食事、株式投資やビジネスでの判断、病院や選挙での選択、競馬や宝くじまで、お金をめぐるあなたの常識を覆します。
行動経済学の入門にぴったりの一冊。
行動経済学は比較的新しい経済学の一つですが、
ある意味従来の経済学が使用するモデルの前提となる、
「ホモエコノミクス」=自己利益を拡大ことを唯一の行動基準とした完全に合理的な存在
これのアンチテーゼとして発展してきている学問といっていいと思います。
なので、人間の行動について研究を重ねて答えを出しているので、
マーケティング的には、消費者心理を学ぶためにとても役に立つ学問だと思います。
この著作では、しっかりした研究成果をもとに書かれているので、
ただの経験則を学ぶのではなく、確実に顧客心理をつかむことができると思います。
例えば、
・魅力的な数字の表記 (フレーミング効果)
・選ばれやすい商品の提示方法(選択肢)
・記憶に残る話し方(ピークエンドの法則)
・お試し商法の有効性(保有効果)
などなど、ビジネスにも転換できるものがいくつも載っています。
もちろん直接的なマーケティング本ではないので、応用は必要ですが、
実験から得られた結果を基にしているので、
信頼度はかなり高いです。
学術的すぎて難しいところは少しありますが、そのへんは飛ばしながらでも十分です。
マーケティングはもちろんですが、
普段の暮らしにも役立つ良書。
問いかけをこなしながら、着実に学べるオススメの本です。
レッド市場の製品戦略『レッドオーシャンで儲ける7つの法則』
マーケティングの中でも製品戦略について説明されています。
名著『ブルーオーシャン戦略』をベースに、
日本の事例や、情報のアップデートを付け加え、わかりやすくレッドオーシャンで生き残る為のヒントを考える本。
7つの法則とは、
1身近なところから考える
2既存の製品・サービスを徹底的に分解する
3既にあるコンセプトを別の場所で実現する
4足したら引く、引いたら足す
5失敗を日常にする
6走りながら考えよ
7焦るな!スピードより持続力
です。
見てみると非常にシンプルで、当たり前だと思われると思います。
ただ、特に2の要素分解や、4足したら引く
のところなんかは以外と考えから落ちているところかなと思います。
マーケティングの製品戦略について、事例や理論的なことに精通している方にとっては少々物足りないかもしれませんが、
わかりやすく平易に解説してくれているので、幅広く勉強になる本です。
次世代Marketing『インサイドセールス 究極の営業術』
マーケティングとセールスを繋ぐ手法として注目される
"インサイドセールス"
の手法、事例、概念をまとめた書籍。
直接的にマーケティングの書籍には分類されないと思いますが、
マーケティングとセールスを繋げることは非常に大事だと思います。
日用品などはマーケティングや広告のみで対応できるかもしれませんが、
BtoBなど、必ずセールススタッフが必要となってくる業界や企業というのがあると思います。
そこで、効率的で効果的なセールスのためにインサイドセールスが必要だ、というのがこの書籍の主張です。
実際、コロナ渦で対面営業が厳しい状況で、今後ますます注目される手法だと思います。
事実この本でインサイドセールスを行っている企業として、
コロナ渦で広告を盛大に行っていた、
オンライン商談サービスを扱うベルフェイスも取り上げられています。
基本的に内容はインバウンドセールス中心かと思いますが、
アウトバウンドセールスにも言及されています。
インバウンドセールスについては、いろいろ横文字で説明されていますが、
概略すると、
リード顧客(見込み顧客)を育て、
インサイドセールスとフィールドセールスが関係を密にとりながら、
成果に繋げるというのが目標です。
ファネル構造、BANT、アジャイル、ナーチャリング、KPI,KGI,などなど読む人によっては目新しい用語も盛りだくさんですが、いろんな業種にヒントになるような事例や説明が豊富です。
手法のみならず、それを実現するための組織作りもいうのもかなり多くのページを割いているので、マネジメントにも役立つと思います。
新しい営業スタイルが必要とされる時代ですので、読む価値は高いと思います。
顧客との会話 『アンマーケティング』
アンマーケティング(UNMARKETING)とは?
=顧客の会話に加わる
ざっくりまとめればそういうところになるかと思います。
コールドコール(勧誘電話)に頼ることなく、素晴らしい商品を顧客とのコミュニケーションによって関係を築いていくことの重要性な説かれています。
顧客が求めることとサービスのギャップを埋めることや、顧客のセグメンテーションなど従来のことについても記述されていますが、
特にこの書籍でページを割いているのは、
"ソーシャルメディアによる会話"
"コンテンツの作り方(動画やネット記事)"
など時流にのったマーケティング手法です。
ただ、ひとつひとつテクニック的な手法というよりは、
"作る上での心構えの手順"
といったものなので、
これからSMSなどでマーケティングを初めたいという方にはマインドセット的な本として有効かなと思います。
事例などは日本のものではないので、参考にしづらいところもあると思いますが、
語り口調で読みやすくはなっています。
世界的企業荷物アドバイザーとして頼られる存在の著者なので、一読の価値はあると思いました。
ちなみにダイレクト出版から販売されているので、書店では購入できないです。
全額返金補償や独自アフィリエイトなどを行っているちょっと変わった出版社です。
必須リテラシー『統計学が最強の学問である』西内啓
西内啓 『統計学が最強の学問である』
マーケティングにおいて、いわゆるマーケティングリサーチの部門で必要となる、
「統計」について書かれた本。
この本の中では、例えば回帰分析、カイ二乗検定、p値、因子分析など、統計学の専門的な手法についても平易に解説されている。
マーケティング統計においては、外注が多かったりすると思うので、
そういった手法について全て使いこなせるようにするという必要はないかもしれない。
ただ、筆者が言うとおり、
「だから何?」というグラフや統計結果を見せてくるコンサルタントなどに対して、
自然と納得した気になることはよくあることだと思う。
例えば本の内容を借りれば、
「購入者と非購入者では、購入者の方が広告を覚えている人が多かった」
というデータやグラフを見せられて、
疑いの気持ちを持てるかどうかは重要ですよね。
もちよんこの本を、統計学を学ぶ入口として読むのも良いんですが、
最低限のリテラシーを持つために役に立つ本だと思います。
私もそうですが、数式が苦手で統計を敬遠しがちな人間にこそオススメかもしれません。
不変の名著『不変のマーケティング』神田昌典
●幻の原稿がついに書籍化
この本は、幻とされる「顧客獲得実践会ニュースレター」の中から、
マーケティングに関する選りすぐりの解説&事例を抽出。
今だからこそ必要な「不変」の原則をまとめたもの。
では、なぜネット全盛の今、10年以上前の原稿が本となって登場したのか?
時が経てば経つほど、効果を発揮するノウハウの塊。
記憶喪失になっても覚えていたいマーケティングの原則。
これらがドンと詰まった1冊です。
「経営者が貪り読んだ、伝説の原稿」
ということで、時代に関わらず実践的なマーケティング手法を紹介した作品。
神田昌典氏はとおそらく日本で知名度実績ともにナンバーワン級のマーケティングコンサルタント。
アカデミックなマーケティングとはまた違い、
実践的なダイレクトマーケティングを学ぶことができ、日々の仕事に直結して生かせるような内容が盛りだくさんです。
「記憶をなくしても思い出したいマーケティングの7原則」や、
コンテンツとしての「小冊子」の作成法、
有名な「PASONAの法則」などなど、
明日から使える手法が溢れてます。
この本では、中小企業からAmazonやソフトバンクなどの名だたる大企業まで、
豊富な事例とともに語られています。
業種によっては応用が直接はピンとこないかもしれませんが、必ず役に立つものがあるはず。
Amazonの例などは、自分の会社と規模も業種も違うけど、凄く参考になりました。
そういう大企業は、もちろん商品・サービスが斬新で優良であることがもちろんですが、
それだけでなく、マーケティングのセンスも抜群だったんだと思いました。
マーケティングに興味があり、営業職、マーケティング職など販売に携わる人間にはとてもおすすめの本です。