一度マーケティングを見つめ直そう!『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』西口一希
『マーケティングを学んだけれど、どう使えばいいかわからない人へ』西口一希
この本のタイトルを見て、ハッとした人多いんじゃないですか?
マーケティングという言葉は乱用され過ぎて、
一体何がマーケティングで、自分が学んでいるものは何なのか?
という悩みが尽きないのがマーケティングだったりします。
この本では、そんな「マーケティングの樹海」に迷い混まないように、
本質と原点に沿って書かれています。
もともと初学者向けに書くという予定だったこともあるので、
これから学ぶ人にも、学習のコンパスとして参考になると思います。
本からの引用になりますが、
とにかくマーケティングの本や記事などは、
どうやって売るか、話題かするか、の
『HOW』
中心に語られることが多いですが、
時代によって変化し、どんどん増え続ける手法の樹海に迷いこんでしまいます。
昔なら、
手紙で、faxで、
それももちろん大事ですが、
本質は、
何を『WHAT』
誰に『WHO』
届けていくかが本質であり、中心に据えなければいけないことです。
そのために、
自社のプロダクトの便益や独自性がなんなのか、『WHAT』
それを求めるお客様はどこにいるのか『WHO』
を、考え続けること、そういった価値を創造し続けることが大切だということです。
顧客理解のたのN1分析といった手法なども簡単に紹介されていますが、
そういった深い手法などについては著者の他の書籍を読めばより理解が深まるようです。
人生×マーケティング 『マーケティングジャーニー』神田昌典
久しぶりに本を読んで目を覚まされた気持ちになりました。
日本のマーケティング界の重鎮であり、異色も放っている神田昌典氏の著作。
マーケティング・ジャーニーとは、
=未来に向けて自分や商品を売り込む、マーケターが成長する道筋
と定義し、
市場創造やチーム編成、顧客創造やビジネスモデルの構築などについて、
小手先のテクニックだけに頼らない、
本質を喝破していく良書でした。
マーケティングに関わっていて、
本書にもありますが、
いくらマーケティングオートメーションだといって自動化を夢見ても、
結局成約には人が必要。
マーケティングに関わる上での思考についても考えさせらる内容でした。
内容
●マーケティング力は、マーケティング部門・職の人だけでなく、
すべてのビジネスパーソンに必須なものです。
専門知識だけの人間は陳腐化しますが、マーケティング力を持った人材は、
商品・人・サービス等をプロデュースすることで永遠に社会に必要とされます。
●書名「マーケティング・ジャーニー」とは、
「マーケッターの成長の道筋=新成長事業を作り上げるプロセスの図式化」。
著者が20年以上にわたり、
2万人以上の経営者とダイアログを重ねた結果、把握・検証したもので、
神田昌典氏の理論の集大成ともいえます。
●すでに成熟した事業のリニューアルであれスタートアップの新規事業であれ、
力強く成長するビジネスモデルを構築するために必須な一冊です。
『バグトリデザイン 事例で学ぶ「行為のデザイン」思考』村田智明 デザインと商品企画に効く!?
『バグトリデザイン 事例で学ぶ「行為のデザイン」思考』村田智明
人の行為の中に「バグ」を見つける。
この視点が商品・サービスを考える上で重要なものになることがハッキリとわかる良書。
この本を読んで「バグ」に目を向けるという意識を持つだけで、何気ない日常に問題が浮かび上がってくるようになります。
ふんわりと、商品・サービスの改良のために不便益を探すよりは、
問題を「バグ」とキャッチーに定義し、
「バグ」の種類や原因を系統立てて理解することでより効率的に、効果的に、より素晴らしい商品・デザインを構築するヒントを得ることができると感じます。
本書で提示される6つのバグ
非効率のバグ
迷いのバグ
矛盾のバグ
負環のバグ
心理のバグ
誤認のバグ
バグの原因となる6つの因子
プロセス因子
属性因子
慣性因子
記憶因子
環境因子
不適正因子
これらのバグと原因を掛け合わせた思考は、
仕事だけでなく日常生活でも役に立ちそうです。
また、デザインやバグの抽出、改善に関するワークショップの進め方が丁寧に解説されており、
思考法のワークシートがダウンロードできたりと、実践へのサポートもされていて、
至れり尽くせりです。
管理職から商品企画の実務社員まで、
とても、参考になる書籍です。
内容
人の行為に注目すれば、あるべきデザインが見えてくる。P&G、コクヨ、Microsoft、Panasonic、LIXIL、富士通、Aprica、オカムラ、オリンパス、村田製作所、NOLTY、SAMSUNG、大阪ガスなど、多くの企業や自治体、大学などが導入した「行為のデザイン」に基づく実際の商品・サービスの事例をふんだんに解説。
『炎上とクチコミの経済学』SNSマーケティングに必要な知識
『炎上とクチコミの経済学』山口真一
ここ数年、テレビやマス広告の有効性に疑問を持たれるなかで、
SNSでの発信を通じてのマーケティング、プロモーションの重要性が叫ばれています。
特にアメリカで成功したSNSマーケティングや、インフルエンサーと呼ばれる人がSNSでのバズらせ方を書いた本なども多数出版されていますが、
そもそも、ネット上で交わされているクチコミ、SNS投稿、またはネガティブな意味での炎上を引き起こしている人たちは、
どういう人たちなのか?
ネットで物事が拡散される仕組みというものはどういうものなのか?
まずそこを疎かにしてうわべだけのテクニックに頼るのは危険であり、効果が薄いのかもしれない。また、効果があっても一度だけで繰り返し成功することは難しい。
そこで、学術的にネット空間で起こっていることを分析した本書はマーケティングにおいても参考になります。
炎上の参加者は0.5%
クチコミ利用者は多くない
ネット世論はさほど信用できない
クチコミは極端なものが投稿されやすい
クチコミは利用直後の投稿が多い
炎上はバカな暇人ではなく、年収が高く役職のある人が多く関わっている
炎上の原因はストレス発散や悪意ではなく正義感から
炎上を拡散するのはマスメディア
実名制にしても匿名にしても炎上はおこる
などなど、イメージとの乖離を埋めることで、
有効に顧客の意見を分析し、ネットマーケティングに生かせるはず。
本の後半は炎上防止と対策についてのマニュアルもご丁寧にまとめられています。
著者の予想ではこの情報社会、SNSでの拡散などは発展途上でありこれからもまだまだ付き合うことになるだろうということです。
一過性の流行りではなくこれからますます重要性が増すであろう現象に取り残されないように読んで損はないはずです。
●他にも多数マーケティングに役立つ書籍を紹介しているので是非ご覧下さい!!
『実戦BtoBマーケティング』戦略BASiCSで法人マーケティングを攻略
『実戦BtoBマーケティング』佐藤義典
本書「はじめに」でも言及されているように、
マーケティング本はBtoCのビジネスを想定されて書かれたものが多く、
BtoBはおまけ程度だったり、
『実戦BtoBマーケティング』は真正面からBtoBを扱っていて、
しかもわかりやすく、事例や実践法も豊富なので、とっつきやすい良書です。
著者が、他の著作でも提唱している、
「戦略BASiCS」
を、利用し法人向けマーケティングの実践方法をまとめています。
戦略BASiCSとは
B→battlefield 戦場、競合
A→Asset 独自資源
S→Strength 強み
iは語呂合わせで
C→Customer 顧客
S→Selling message メッセージ
これらを意識して戦略を構築していくことが、
お客様に選ばれる結果を生み出すということです。
各論は書籍に任せるとして、
特に強調されているのは、
「顧客起点」
ということです。
ありきたりではありますが、
独自資源にしろ、強みにしろ、
全て、「顧客にとってのベネフィット」を意識したものでなければならない。
選ぶ理由になっていなければ、強みとも独自資源とも言えない。
ベネフィットについては多くのページで言及されていて、
いわゆる『ドリルを売るなら穴を売れ』というやつですね。
基本的なマーケティングの戦略は王道といえるものがほとんどですが、
上手くBtoBならではの特性、営業方法などもまとめられているので、
タイトルの「実戦」という通り明日から使えるヒントが詰まった一冊です。
《内容》
なぜあなたの商品は「お客様に選ばれない」のか?なぜあなたの営業が「お客様に刺さらない」のか?BtoB企業の経営者、法人営業、商品開発、企画部門の方の必読書。法人顧客に選ばれ、頼られる存在になれる「5つの秘訣」を徹底解説。
●他にもマーケティング関連書の紹介をしているので是非ご覧下さい!
『データサイエンス「超」入門』嘘をウソと見抜けなければ、データを扱うのは難しい
『データサイエンス「超」入門 嘘をウソと見抜けなければ、データを扱うのは難しい』
松本健太郎
タイトルの通り、
データサイエンスに興味を持つ人、
持ったけど数学に挫折して諦めた人、
マーケティングにデータを取り入れたい人、
様々な人に、面白くデータサイエンスとの向き合い方を教えてくれる一冊。
本書では、
ネットと大手マスコミの世論調査の乖離、
アベノミスクの効果、
東日本大震災からの復興、
若者の○○離れは正しいか?
など、知的好奇心を掻き立てられる事象を取り上げ、
データを検証し、仮説や問題解決に役立つデータの向き合いかたを教えてくれます。
やはり、本は役に立つことが一番ですが、
読んで面白いというのもビジネス書に求められる要素になってきていると思います。
先日『影響力の武器』という心理学の名著を読みましたが、
めちゃくちゃ分厚い本にも関わらず、面白さですぐ読めてためになったのを思い出します。
そんな歴史的名著と比べるのも変ですが、
このデータサイエンス超入門も面白く学べて凄く良い本だと思います。
内容的には、
データとの向き合い方、
偏った数字や、人間のバイアスに注意することなど、
小難しい数式はおまけ程度にあるだけで、
分からなくても本筋はOKなので、構えなくても大丈夫です。
データサイエンスを学ぶのであれば、
数式の意味くらいは知っておいた方が良いでしょうが、
計算は今時手作業でやるようなものでも無いので、理屈だけ知っておけば大丈夫そう。
アメリカで最もセクシーな職種として、データサイエンティストが選ばれるなど注目の分野なので入門だけでも知っておいて損はないはずです。
内容
世界は今、噓とフェイクに満ちあふれている。
ニュースも、ウェブ検索も、専門家の言うことも、鵜呑みにすれば騙されてしまう。
本書は今もっとも注目を集めるデータサイエンティストが、データに注目して「噓を見抜く技術」を解説!
世論調査の結果はなぜ各社異なるのか?
アベノミクスによって景気は良くなったのか?「最近の若者は……」論の誤り
本当に地球は温暖化しているのか? ……etc.
新時代の教養「データサイエンス」の入門書として、数学が苦手な人、統計学に挫折した人にもわかりやすい一冊!
●他にもいろいろマーケティングに関しての本を紹介しているので是非ご覧下さい!!
見込み客獲得のための効率的人脈ネットワーク構築システムを作るには?『紹介の連鎖が永遠に続く(秘)人脈活用術』ボブ・バーグ
内容
こんな風に「人脈」を利用して顧客を増やすなんて、、、マナー違反でしょうか?一瞬で相手の信頼を勝ち取り、永遠に続く紹介の連鎖を生み出し、出会った人脈をお金に変える、、、20年以上効果実証済みの人脈構築&活用術!
ユニークな出版方法で独自の路線を突き進んでいる、
ダイレクト出版から邦訳が発行されているアメリカのロングセラー本です。
タイトルは人脈活用術となっていますが、
おそらく、バンバン人に会って、名刺を配って、コミュ力重視で懐に飛び込んでいく…
そんな典型的な人脈づくりとは、ひと味違うネットワークを構築のシステム化を提唱している本。
正直アメリカ特有の部分も無くは無いですが、
どんな職種や仕事をしている人にも活用できる部分は多々あります。
内容は書籍に譲るとして、
この本が特に役立つであろう人を下記に解説します。
①自分で会社をスタートアップし、個人向けビジネスを行っている人 B to C
こういう人なら100%役立つはず。
②自分で会社をスタートアップし、企業・団体向けビジネスを行っている人 B to B
個人向けの方が、紹介のハードルが低くなりやすいと思いますが、B to Bにも特化した方法も言及されています。80%くらい役立つはず。
③小規模会社の営業・マーケティング部門長レベルの管理職
会社における販売戦略としてこの本で言及されている紹介システムを取り入れることはできると思います。
70%くらいは役立ちそう。
④販売職、営業職、マーケティング職につく人。自分が行う仕事の自由度はそれほど高くないと思うので、この本の内容では思いきりすぎて遂行不可能なことも多い。
ただ、個別のネットワーク作りの手法や、セールスのコミュニケーション術、マーケティング・販促のためのプロモーション術などは役に立つはず。50%は役立つはず。ただその50%に大きな価値はあると思います。
このように読む人間によって、勉強になる部分は結構変わってくる本ではあると思いますが、著名な作家の本だけあって、
ありきたりな自己啓発的精神論や掛け声に終わらず、
具体的な手法まで言及されているので、
会社全体のプロモーションやセールス、個別のスキルアップに十分役に立つ本であると感じました。