マーケティングの限界と脳科学的考察『ブラックマーケティング 賢い人でも、脳は簡単にだまされる』中野信子 鳥山正博
『ブラックマーケティング』賢い人でも、脳は簡単にだまされる』
中野信子 鳥山正博
内容
「送料無料」で得をした気になってはいけない。愛情や帰属意識を利用する「オキシトシン商法」とは?ギャンブル依存や悪徳商法にハマらないためのナレッジ。
従来のマーケティング論を
「よいこのマーケティング」
と名付け、
規範的、まっとうなマーケティングの考え方の限界を脳科学的に考察する本。
マーケティングの専門家である鳥山正博氏と、
テレビでもおなじみの脳科学者の中野信子氏の対談というかたちで論じている。
例えば、
『悪徳商法』や、ひとりで何枚もCDを買うAKB商法など、
マーケティングでは説明しづらい現象を脳科学的に補完する内容で、
読み物として面白い。
行動経済学や心理学の実験や、
脳科学の説明を紹介していて面白い。
S セグメンテーション
T ターゲティング
P ポジショニング
だけでは割りきれない消費者の行動を、
脳科学や心理学で解き明かせるのでは?
従来は現場のカリスマやデザイナーの感性に任せていたものも体系化できるのでは?
などなど面白い視点に溢れています。
マーケティングを、学ぶのは大切ですが、
大企業の要請によって発展してきた理論体系であることも理解し、
限界も考えながら学ぶことで、
より実践に近くなるのでは?と考えさせられた内容でした。