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マーケティングを勉強中。アラサー出版社勤務のブログ。

新時代のマーケティング 『ウソはバレる 「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング』

「ウソはバレる 「定説」が通用しない時代の新しいマーケティング

イタマール・サイモンソン、エマニュエル・ローゼン


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マーケティングにおいて、長い間伝えられてきた「定説」に疑問を投げ掛け、

現代におけるより重要な概念とフレームワークを提唱した名著。

 

この本で指摘する「定説」とは、

例えば、

「ブランドが重要」、

「顧客ロイヤルティを強める」

「ポジショニングこそが最重要」

「説得の技法:フレーミングなどを駆使」

「顧客は不合理な選択をする」

など、マーケティングをかじった人間なら常識的に思っている事柄です。

 

内容を簡単に二つに分けると、

 

・現代では顧客が商品の「絶対価値」に基づいた合理的な判断を下せるようになってきている。

 

・“影響力ミックス“POMのフレームワークを判断基準とした適切なマーケティング活動をおこなう

 

この二つについての文書です。

 

「絶対価値」とはその名のまま、

その商品の本来の価値や大体の利用体験などのことで、ブランド名や過去の体験から相対的に評価した価値とは逆のものです。

 

なぜ、絶対価値が消費者に近くされるようになったのか?

 

それはテクノロジーやウェブの発展により、

他社のレビューや使用評価がより手に入りやすくなったことに、よってもたらされていると論じています。

 

もちろん著者も言っていますが、

例外となる分野ももちろんあります。

 

二つ目に影響力ミックスです。

P-prior    前々からもつ嗜好、信念、経験

O-others  他者からの情報サービス

M-marketers マーケター

 

ある人の購入判断はこの3つで決まる。

この3つの影響力を測ることで、最適なマーケティング活動を行うという主張です。

 

もちろん最重要はO-othersです。

他者からの情報の関与がどれ程あるのかで、

購入に際して絶対価値の及ぼす影響を測ることができるとしています。

 

 

詳しくはぜひ本書を読んで頂きたいです。

 

最初にあげた従来マーケティングの定説が役にたたないとは著者も言っていませんし、

役に立つ部分もある。

 

この本で論じられた新しい提言が参考になるのはもちろんですが、

影響力ミックスや絶対価値の概念は、

従来のマーケティング手法が現場で役に立つのかどうかを判断する基準ともなると思うので、とても参考になりました。

 

 

本の最後の方では、この絶対価値の重要性が高まる時代に、

マーケター、マーケティングがどうあるべきかまで論じられています。

 

マーケティング、セールス、製品企画に関わる人間にはとてもオススメしたい本です。

 

 

 

内容

マーケティングの「定説」の9割は、もはや通用しない!?消費者にウラのウラまで見抜かれる「絶対価値」の時代を生き残る新しいフレームワーク「影響力ミックス」とは?