マーケティングを学ぶ!書籍・検定・レビュー

マーケティングを勉強中。アラサー出版社勤務のブログ。

失敗とは?どう向き合うか『失敗の科学』マシュー・サイド

『失敗の科学』マシュー・サイド


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マーケティングとは直接関係がないですが、

とにかく良い本だったので書いてみます。

 

「失敗」について、とことん科学的に向き合い、考察し尽くした本です。

 

「失敗から学ぶ」、「失敗は成功につながる」などなど、

ありきたりっちゃありきたりで、

 

タイトルを見て

「あー、ハイハイ、失敗から学びましょう的なやつね」

と思いました。

 

しかし、読み進めてみると、

「これは本格的だ!」

と180度考えが変わりました。

 

そういうタイトルの自己啓発本や経営者の自伝は巷に溢れていますが、

 

ここまで、科学的に、論理的に考察した本は少ないのではないかと思います。

 

 

なぜ、失敗を受け入れられないのか、

失敗を生かすことでどんな効果があるのか、

失敗をビジネスにどう生かすのか、

失敗を責めることでどんな損が起こるのか、

 

などなど、ちゃんとエビデンスに基づいて論じています。

 

理屈を欲しがる人間にはうってつけの内容。

 

 

1番失敗を生かすことができている業界、

航空業界の事例や、

早食いチャンピオンの小林尊

サッカーのベッカム

などなど、事例がまず面白い。

 

その反面として挙げられる失敗例が、

医療業界、

警察、

社会科学(特に経済学)

特に経済学者の反省のしないところは目に余る。

 

納得のいく事例ばかり。

また、事例もドラマチックでおもしろく、

心に残る内容。

 

 

行動経済学、心理学、経営学などの理論を取り入れながら、

実践的な現場の取り組みも評価しているので身近に学べます。

 

 

確証バイアス、気質効果、講釈の誤り、

ランダム化比較実験など、

勉強になることばかり。

 

 

明日から自らのビジネスに取り入れたくなる、叡智のかたまりみたいな素晴らしい本。

 

全てのビジネスマンに勧めたい本です。

 

内容

だから人は、同じ過ちを繰り返す――。
英タイムズも絶賛! 22カ国刊行の世界的ベストセラー、ついに日本上陸!

なぜ、「10人に1人が医療ミス」の実態は改善されないのか?
なぜ、燃料切れで墜落したパイロットは警告を「無視」したのか?
なぜ、検察はDNA鑑定で無実でも「有罪」と言い張るのか?
オックスフォード大を首席で卒業した異才のジャーナリストが、
医療業界、航空業界、グローバル企業、プロスポーツリームなど、あらゆる業界を横断し、失敗の構造を解き明かす!

 

ビジネスマンの必須教養『統計学見るだけノート』 永野裕之 監修

統計学見るだけノート』永野裕之 監修


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マーケティング調査で役に立ち、情報技術の発展によって注目される統計学の超入門。

 

"見るだけノート"は人気シリーズで、

マーケティング見るだけノート』

も出版されています。

 

マーケティング版も最新の理論や実戦的なものもあって良かったですが、

こういう統計学みたいな小難しいものの方がこのシリーズの本領発揮している気がしますのでオススメです。

 

私のような数学オンチでも分かりやすく説明されています。

それでもなかなか手強かったですが…

 

 

本のなかにも記述がありましたが、

実際の計算はExcelみたいなソフトでできるので、

計算式や概念がどういう仕組みで求められているのか

知っているのと知らないのでは理解が、全然変わってくると思います。

 

うっすらでも知っておくとマーケティングにせよ戦略全般にせよ役に立つことは間違いないと思います。

 

標準偏差相関係数ヒストグラム

などなど、なんとなくわかったような気になっていたものが、

ちゃんと理解できて、タメになります。

 

本気で学ぼうとすれば、膨大な労力と時間がかかると思うので、

この本で触れられることは本当にさわり程度だと思いますが読んで良かったです。

 

 

統計学の用語などなんとなく聞いたことあるけど、よく分からないという人はうってつけの本です。

 

人を動かすアイデアの作り方 『仕掛額』 松村真宏

人を動かすアイデアのつくり方 『仕掛学』

松村真宏     大阪大学大学院 講師

 


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イデア論の世界的ベストセラー、W・ヤングの『アイデアの作り方』の雰囲気を持つ、

良書です。

スタンフォードの授業でも扱われているそうです。

 

人が「ついしたくなる」仕掛けをつくるためにはどうしたらいいか?

 

事例とともに一般向けに易しく、短く書かれていますが、内容は濃い。

事例も面白いので、アマゾンの商品ページで紹介されてますので、まず見てみると興味が湧くと思います。

 

仕掛けの便益と負担の関係、

仕掛けの原理の分類と考察

仕掛けの発想方法

 

短い文章にこれだけわかりやすく凝縮している本はなかなかない。

 

商業的な用途向けに書かれたわけではないですが、

 

使いやすい・心地よい商品デザインの開発、

効果的なプロモーション

など、広い用途で使える汎用性の高い知識になること間違いないです。

 

 

 

 

 

アンケートで利益UP!『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』岡本達彦

『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法』岡本達彦


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A41枚、お客様の声を集めて広告媒体に落とし込むメソッドをまとめた本。

 

著者の岡本氏はアンケートを使ってお客様の声を効率的に集める手法では実績や評価がピカイチです。

 

アンケートを使う理由として、

・内部からの意見では強みはわからない

・顧客の声を広告に入れ込むことで費用対効果をあげる

・購入プロセスの可視化

 

などを、挙げていますが

確かに効果的で、営業マンが聞き取るよりはバラツキがなく効率的。

「顧客のニーズを聞き出せ」

と簡単に言うけど結構難しい。

 

簡単なフォーマットを用意しているので、

すぐに真似ができ、やってみる価値はある上に、ハードルも高くない。

 

 

その上でDMなど広告媒体への落とし込みかた、フォーマットも紹介されているので実戦的。

 

事例も豊富で分かりやすい。

アンケートの回収率UPのアドバイスがあれば更に嬉しいなとは思いましたが、

実戦的でハードルが低いのでやりやすそうです。

 

セールス、マーケティング担当者には大いに参考になる一冊だと思います。

 

行動経済学の名著『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか』ダニエル・カーネマン

ダニエル・カーネマン

『ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか』


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ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンが一般向けに書いた、行動経済学の名著。

 

どちらかといえば学術的で、取っ付きにくい感じはしますが、平易に書かれていて、

ちょっと長いですが難しくはないです。

 

要約や中身のことは扱っているサイトも多いので割愛します。

 

この本はマーケティングやセールスの本で引用される項目も多いのですが、

 

“ちゃんと引用している”本は少ないです。

 

なので一度、原典であるこの本を読む価値は高いです。

 

例えば、この本のメインではないですが、

有名で営業の本によく引用されるものに、

「単純接触効果」

というのがありますが、

正しく引用していない本が多い。

 

よく、

「お客様に会えば会うほどセールスの成功率は上がる」

これが単純接触効果だと言っていることを聞きますが、

 

実際は、

「人間の本能として、何度会っても自分に害はなかった、もしくは得をしたと思った場合に限って安心し、好感を持つ」

というのが正しい。

 

会えばいいってもんじゃないんです。

良くないセールスが何回来ても嫌なもんは嫌

それよりもちゃんとした振る舞いや話し方を身に付ける方が大事。

 

 

こういったちゃんとした知識を身に付けるために、学者が書いた本は読むべき。

研究によって科学的に実証済みなので信頼性は高い。

 

手っ取り早く、伝説のマーケターやセールスの本を読むのもとても良いんですが、

たまにはこういう本も読むべきだと思います。

 

 

 

たった一冊で伝説の名著三冊をALL IN ONE 「最強のコピーライティングバイブル」横田伊佐男

伝説の名著3部作が1冊に凝縮!国内成功100事例付き

「最強のコピーライティングバイブル」

横田伊佐男 著   神田昌典 監修


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今もなお読みつがれるマーケティング、コピーライティングの名著

“黄金のクラシックシリーズ” 三部作

「ザ・コピーライティング」ジョン・ケープルズ

「伝説のコピーライティング実践バイブル」

ロバート・コリアー

「ザ・マーケティング【基本篇】【実践篇】」ボブ・ストーン、ロン・ジェイコブス

 

 

これらの三冊をなんと一冊にまとめた究極のバイブルです。

 

 

ただの要約ではなく、

コピーライティングに重要な箇所だけを大胆に抽出し、一冊にまとめあげています。

 

90%はカットしているので、かなりエッセンスが凝縮されています。

 

この三部作が名著なのはだれもが知る通りですが、

・量が多い

・海外の著書なので辞令がピンとこない

といった弱点があります。

 

「最強のコピーライティングバイブル」では

大幅にまとめあげ、

日本企業の事例を扱うことによって、

弱点を克服した、

日本人のためだけの素晴らしい本です。

 

事例もわかりやすく、

効果検証済みのテクニックを、

読者が応用しやすいように、

公式と例を使って説明しているので実践的です。

 

最近、他のコピーライティングの本を参考にしてDM を作ったのですが、

例がなく、つくるのにかなり手間がかかったことがあります。

 

ただ、この本ならある意味「真似するだけ」で効果的なセールスレターが作れると思います。 

 

直ぐに実践したくなる珠玉のエッセンスが詰まった一冊です。

 

 

 

 

 

出版社コメント

☆発売たちまち大反響! 第8刷出来! ☆
本書の編集は、2008年に『ザ・コピーライティング』、2011年に『伝説のコピーライティング実践バイブル』、
2012年に『ザ・マーケティング【基本篇】』、『ザ・マーケティング【実践篇】』の名著3部作2000ページ超を担当。
この名著3部作・計4冊を、たった1冊280ページに凝縮した本書ですが、
ここまでくるのに、約3年の月日を要しました。
現場で使えなきゃ意味がない! 結果が出なければ意味がない! と国内成功100事例を厳選。
本気で結果を出したい! すぐ結果がほしいという方々に、現場でとことん使い倒していただければと思います。

実践的学問・行動経済学『9割の人間は行動経済学のカモである』橋本之克 (マーケティング・プランナー)

『9割の人間は行動経済学のカモである』

橋本之克 (マーケティング・プランナー)


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サブタイトルが、

『非合理な心をつかみ、合理的に顧客を動かす』

とあるように、

行動経済学を日常やビジネスの場で実践できるように、

事例を紹介しながら易しく解説した本。

 

一般的にマーケティングやセールスの書籍はトップマーケッターやトップセールスの体験から書かれている場合が多く、

個人の資質や状況に左右されやすいです。

 

そのため、マーケティングやセールスの解説のために、

何らかの指針が必要だと考えると、

行動経済学は販売活動に親和性が高く、参考にできるものだと思います。

 

この本では著者が言うように、

プロスペクト理論ヒューリスティクス、各種バイアス、フレーミングなど、

 

代表的かつ、日常に応用しやすい理論を、

一般読者に馴染み深い事例を挙げながら解説してくれます。

 

例えば、AKBや袋綴じ、ポイントやマイル還元、LINEやスカイツリーのヒットなど。

 

行動経済学自体がそこまで歴史がある学問ではないので、

ダニエル・カーネマンリチャード・セイラーなど、外国の研究者の書籍が多く、

この本のように日本の事例で紹介されるのは有難いです。

 

行動経済学が生まれた背景として、

主流派経済学が、

ホモエコノミクスという完全に合理的な人間を想定していることを否定するために生まれた側面があります。

 

そのため、全ての人間の行動を理解することができるというほどではないですが、

確実に経済活動の実際に近い考察を得ることができると思います。

 

 

学説を分かりやすく解説しているところがこの本の良いところだと言いましたが、

例えばプロスペクト理論では、

価値観数と確率加重関数を扱っています。

価値関数の「得よりも損の方が重視される」

確率加重関数の「高い確率は低く、低い確率は高く感じられる」

などは言葉だけでは分かりづらいですが、

馴染みのある事例から解説されているので分かりやすいです。

 

 

 

 

行動経済学の学問的な細かな知識は極力排しているようなので、わかりやすく取っつきやすいです。

マーケティング活動から、

行動経済学に興味を持つためにはとてもオススメできる一冊です。

 

 

 

著者について
橋本之克(はしもと・ゆきかつ)
東京工業大学社会工学科卒業後、大手広告代理店で消費財マーケティングを担当。
1995年日本総合研究所入所。環境エネルギー分野を中心に、官民共同による研究事業組織コンソーシアムの組成運営や、自治体向けのコンサルティング業務を行った。
1998年アサツーディ・ケイ入社後、金融・不動産・環境エネルギー業界を中心にマーケティング戦略ブランディング戦略のプランニングを行う。約600本の企画書を書き、約600回のプレゼンテーションを行い、100社以上の金融機関、50社以上の不動産住宅会社の業務に携わった。
アンケート調査、グループインタビュー、デプスインタビュー、画像メタファー調査、音相分析などさまざまな手法を通じて、顧客の心理や行動の調査分析を実施。モチベーションを高めるとともに、心理的バリアを払拭することで購買や契約に結び付ける、顧客心理を把握したマーケティングが得意。
また大学、研究機関、新聞社、金融機関等が催すマーケティング関連セミナーでの講師、雑誌等への寄稿も多数。
2級ファイナンシャル・プランニング技能士宅地建物取引主任者東京商工会議所 2級カラーコーディネーター。
【著者ホームページ】http://www.hasiyuki.com