書評!感想!『競争としてのマーケティング』
『競争としてのマーケティング』
丸山謙治 著
この本はタイトルや表紙からはわかりづらいのですが、
現代マーケティングの第一人者、
アル・ライズ氏とジャック・トラウト氏のマーケティング理論や実践的な知恵を、
親交のある丸山謙治氏がまとめたものです。
現代も読み継がれている、
両氏の『ポジショニング戦略』、『実戦ボトムアップマーケティング戦略』などの、
著書や発言を日本人にも分かりやすいようにまとめたものです。
なので、事例も日本人にも馴染みのある日本企業が多く用いられ、
外国企業でも、アップルやコカ・コーラなど誰でも知っている企業の実例を用いているので、大変わかりやすいです。
この本の肝は、
『競争志向』が最も現代のマーケティングでは大事であり、
『顧客志向』は通用しないということだと思います。
既成のマーケティング理論や、巷の常識では、『顧客志向』が当たり前のように求められているが、
もはやそういった考えは通用しないということです。
そういった意味で既存のマーケティング理論や常識を批判している部分が多いです。
ただ、私の感覚では学術的なマーケティング理論全てを批判しているわけではく、
両氏の実務的な経験のなかで、違うぞ、と思ったところを批判しているだけで、
コトラーを代表する主流のマーケティング理論も最大限尊重しているように感じました。
事実として、アル・ライズ氏著の『フォーカス』ではコトラー氏が帯で推薦文を書いています。
特に、両氏が重要視する、
「ポジショニング」
「知覚」の重要性
は主流理論でも重要とされるところです。
学術的なマーケティングを学ぶなかで、
「これって実際に通用するのかな?」
と思うことがあると思うのですが、
そういった時にこの本を読めば、
的確な答えをくれるんじゃないでしょうか。
そんな感じの感想を抱きました。
この本のラストは人生へのエールで締められているので、明日からの仕事も頑張りたいと思えます。